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【voicy/聴きながら学ぶ住みたい街の秘密】「木を使ってまちを作ろう」(2/2)



voicy「聴きながら学ぶ住みたい街の秘密」(都市計画家 / 山﨑満広)をご紹介させていただきます。

現在公開済みの音源は39放送、総再生回数は1.2万回を超えました。


その中で今回ご紹介させていただく放送は「木を使ってまちを作ろう」


放送の内容を抜粋して文字起こししたものを全2回でお届けさせていただきます。

今回は後編です。


音源内では山﨑のおすすめのお店のご紹介などもあります。

ぜひ、音源でもお聞きください。


 


CLTという木の使い方


最近は直角集合材というかね、CLT(直交集成板)というのがあって。木材を並べて接着したものを直角に五層に重ねて作ることによって、鉄筋コンクリートと同じ、またはそれを超える強度を持った木材の柱とか、壁とか良いものが作れるようになっていて。


しかも、鉄筋コンクリートに比べると、建物を建てる速さがとても早いんですね。半分ぐらいの工期で建物が建ってしまう。そんなこともできるんですね。なので、「木を使わない手はない」と思うんですが、まだそういった意識には届いてない。


または、鉄筋コンクリートの方がインフラが整っているので安い、ということもあって。経済だけを気にしている人たちは相変わらず鉄筋コンクリートでガラスばかりの建物を建てたりするんですけど。そういうのはナンセンスになりつつあります。


【写真】2016年にOne Northの斜向いに建てられた、高層木造建築の分譲マンション、

Carbon 12建築中の内装(写真上)と完成後の内装(写真下)。

木の温もりが感じられる美しいCLT (直交集成板)を贅沢に使用している。



実は、CLT の担当マネージャーだった


何でこんな話をしているのかというね。実は2015年ぐらいだったかな、僕一時期ポートランド市のCLT担当マネージャーもやったことがあるんですね。CLT担当マネージャーという、直角複合材というか、木材のテクノロジーを流行らせるというか。それが主流になるためにどういった戦略を立てるべきか、ポートランド市としてどういった戦略を立てるべきかということで。


まずは調査研究から入ってデベロッパーと手を組んで。知り合いの会社で市のデベロッパーが建てようとしている分譲マンション9階建て建設に至っての色々な手続きとかをお手伝いをしたり。あとは研究ですね。


耐火テストをしているところの資料をもらって勉強したり。いろんなことをやったんですけど、耐震耐火は大事ですね。最近の木、特に複合材というのは、実はデータから見ると火事にもめちゃくちゃ強いんですね。燃え尽きずに、外側だけ燃えて、途中で木が燃えるのが止まったり。さらに燃えにくいようなテクノロジーがどんどんできているんですね。


例えば竹中工務店は“燃えんウッド”といって、本当に燃え尽きない木を柱として作ったり。あと、クレバリーホームという会社では、途中で燃えるのが止まるような素材を間に組むことによって燃えしろを作ってですね。燃えしろがあることによって、1時間2時間燃え続けても燃え尽きない、または炭化するんですね。


炭になって燃えが収まってきて、ある程度時間稼ぎをすると消防署も来てね、水かけたらすぐに消えます、みたいなことがうまくできつつある。本当にこれからは木の建物がどんどんどんどん増えると思ってます。


【写真】当時アメリカで1番高いCLT木造建築であったCarbon 12の完成に伴い、

デベロッパー、建築チーム、施工会社、ポートランド市、オレゴン州知事などの関係者皆で

最後のCLTパネルにサインやメッセージを。(写真上)


そして、それをクレーンで建物の9階に設置した、思い出深いお祝いのイベント風景。(写真下)


再度木に注目してほしい


ですので、再度木に注目していただいてですね、これからもっと木の建物を増やして、木のまちづくりみたいなことをどんどんやったほうがいい。


木は美しさもあるんですよね。日本って木に囲まれているわけですし、木目は、和風なことも洋風なこともできます。なおかつ時が経つとともに味が出るわけですよね、木というのは。


鉄筋コンクリートって何十年か経ったら、やはり耐震問題があって劣化する。経年劣化によって建て替えをしなきゃいけません。例えば、東大寺や法隆寺など、本当に昔からの建物は、無垢の木材といって、加工しない木だったので、火がついたら燃えちゃったわけです。最近のテクノロジーで燃えにくい木ができているので、木で作って100年後、200年後、もう1000年後まで残る建物も作ることができる。


しかも、木というのは、コンクリートと違って加工が後からでもできます。再利用も可能ですし、何か不具合があっても、繋いだり、接いだり、色を塗り直したり、削ったりという加工ができますから、そういった意味でもサスティナブルな素材だと思います。


なので、もしですね、皆さんが家を建てたり建物だったり、施設の建設や修復に携わることがあったら是非「それって木でもできるんじゃないか?」と、自分や周りの人に聞いてみてください。


 


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