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【voicy/聴きながら学ぶ住みたい街の秘密】「歩きたくなる街とは」(2/2)


voicy「聴きながら学ぶ住みたい街の秘密」(都市計画家 / 山﨑満広)をご紹介させていただきます。

現在公開済みの音源は39放送、総再生回数は1.1万回を超えました。


その中で今回ご紹介させていただく放送は「歩きたくなる街とは」


放送の内容を抜粋して文字起こししたものを全2回でお届けさせていただきます。

今回は前回から引き続き、後編です。


音源内では山﨑のおすすめのお店のご紹介もあります。

ぜひ、音源でもお聞きください。


 


ポートランドは歩きやすかった


さて、本題に入りましょう。いつまで引っ張っとんねんってことですけどね、今日は歩きたくなるまちについてお話したいと思います。


昨日はまちと人について少しお話させていただきましたが、歩きたくなるまちってあるんですよ。それについて話すにもいろんな見方があるんですけど、これは僕の主観として、いろいろ話させていただくと、ポートランドはすごく歩きやすかったんですね。特に中心地なんかは。


アメリカ全体を見渡すと、往々にして車社会なので、そのダウンタウンですら歩きづらいまち、またはダウンタウンの中心地を出たら、本当に「車無いと生きていけない」ってまちがほとんどなんです。

ニューヨークやサンフランシスコ、シアトルのまちなか、ポートランドのまちなかなど、それ以外は歩きづらいんですね、ほとんどのまちは。車のためにまちができてますから。





歩きやすいまちとは

「歩きやすいまちってどんなまちですか?」というと。まず、いろんなものが徒歩圏に揃っているわけですよね。

例えば歩いて仕事に行ける、歩いて買い物に行ける、歩いて○○ができる、自転車や公共交通を使えばなんとかなるよ、みたいなのが、キーだと。


じゃあ何ができなければ歩けるようになるかっていうと、やはり車なんですよね。

車中心でできている場所っていうのは歩行者の場所、くつろぐ場所が少ない。けど逆を考えて、車が入りづらいところ、または車が少ないところは、歩きやすい空間ができてるんじゃないかと思います。


20分圏コミュニティとは





都市デザインの中で一つの考え方があって、“20分圏内ネイバーフット“とか“20分圏コミュニティ“っていうんですけど、英語では“twenty minute neighborhood”と言います。それはどういうことかというと、徒歩20分や自転車、公共交通で20分の範囲に、生活に必要なほとんどのものが揃っていると。


例えば働く場所、住む場所、遊ぶ場所、学ぶ場所などが揃っていて、ポートランドでは特にそれが顕著で。そういったtwenty minute neighborhoodですね、20分圏ネイバーフットみたいなものをいくつも点在させて、そのコミュニティーを拠点として、その拠点と拠点を自転車の道や歩道、公共交通で繋ぐ、ということをわざわざやってるんですね。


それをやるにも、その歩道と建物の間の空間というか、密接する空間のデザインをちゃんとしていて。特に1階は地上から3mぐらい(アメリカでは9フィートという)、3mなのはなぜかというと、歩いている時の姿勢で丁度視界に入る空間が、その目の上の上限のあたりがだいたい3mぐらいと言うことで、その空間のしつらえとか仕組みをうまくデザインすると歩きやすくなります。


特に間口ですね。その人が歩く歩道に面した部分を透明な素材、いわゆるガラスやメッシュなどで作ると、それで視界ができますので、建物の中に何が起きているかとか、建物の中にいる人から見て外で何が起きるかというのが通じる。


それからそのドアが開け閉めできたりとかね。そうなると、匂いとかね、音とかも漏れ出してくる。

そうすると賑わいを外から見て感じられたり、中にいても外がどういう風になっているか見えると言うことで、社会的動物ですからね、人間っていうのは。


そうすると安心できるので、そこに行きやすくなる、または集いやすくなるので、ゆっくりできますよっていう、心理的なものもあるんですよ。

それが歩きやすいまち、歩きやすい空間を作るんだと。


歩きたくなるまち・ポートランドの秘密



ここですね。秘密があるんですね。ポートランドがなぜそういう空間ができたのかっていうのは秘密がありまして。その一つは一街区ですね。

歩いている時の街区が一片60m×60mぐらいという、すごく小さい街区がずっと続いているんですね、碁盤の目のように。そうするとだいたい歩いて45秒から1分ぐらいで一街区が終わると。次の街区に道を渡っていくわけですけど、そうすると景色がどんどんどんどん変わるので飽きないんですよね。


飽きない、なおかついろんなお店が歩きながらショーウインドーのように見えるので、お店ばかりではなくこ銀行であったり、ホテルのロビーだったり、カフェだったり、レストランだったり、バーだったりみたいなのが、歩きながら見えて景色がどんどん変わるので、歩いて楽しい。


なので、歩きたくなるまちになっているわけですね。そういったちょっとしたことを地道に長い間やって、歩きやすい素敵なまち並みができた。そして、なおかつ古い建物うまく残したりね、リノベーションなどをやって、素敵なまち並みを作っているのがポートランドの秘密のひとつです。


 

【Voicy/聴きながら学ぶ住みたい街の秘密】「歩きたくなる街とは」いかがでしたでしょうか。


また後日、他の放送分もご紹介させていただきたいと思います。お楽しみに。


 

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